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3Dプリンティングにおける粒子径および円形度解析の重要性

2020-08-17Application Briefs

■ 3Dプリンティングの概要と粉体特性の影響

 

3Dプリンティング(積層造形法)は、デジタル設計データを基に金属粉末や樹脂などの材料を積層して造形物を製造する先進的な製造技術です。特に金属積層造形は、自動車、航空宇宙、医療、精密機械などの分野で、複雑形状部品の試作および量産に活用されています。

本技術の品質を左右する重要因子として、粉末材料の粒子径分布粒子形状(特に円形度)が挙げられます。これらの物理特性は粉末の流動性や敷き均し性に直結し、積層造形における溶融・凝固挙動や最終製品の密度、寸法精度、表面品質を大きく左右します。

 

■ 金属粉末の粒子径範囲とエネルギー源の関係

 

金属3Dプリンタに用いられる粉末の粒子径範囲は、主にレーザーやプラズマといったエネルギー源の特性に応じて設定されます。

  • レーザー溶融方式:スポット径が小さく、微細粉末(15~53μm)が適合

  • プラズマ溶融方式:高出力を活かし、粗粉末(53~105μm)も利用可能

粒径範囲の適正化により、溶融効率や層間接合の均一性が向上し、造形品の機械的特性の安定化が期待できます。

 

■ 円形度の重要性と流動性への影響

 

円形度は粒子の平面投影形状が完全な円にどれだけ近いかを示す指標で、値は0~1の範囲で表されます。1に近いほど真円に近く、粉末の流動性が高まる傾向にあります。

円形度の高い粉末は粉体搬送時の詰まりや流れムラを防ぎ、均一な粉末層の形成が容易となるため、積層造形の再現性と品質安定に寄与します。反対に、形状が不規則な粉末は流動性が低下し、層厚むらや欠陥の発生リスクが増大します。

 

■ ニッケル合金粉末の粒子径・円形度解析事例

 

以下に、Bettersizer 2600によるニッケル合金粉末のレーザー回折粒子径分布解析と、BeVision S1による画像解析を用いた円形度評価結果を示します。

  • 粒子径分布解析により、単一試料のD10, D50, D90などの詳細な粒度分布情報を取得可能

  • 画像解析では、粒子の形態を高精度に捉え、円形度分布を定量的に評価

 

Particle size distribution diagram of single nickel alloy sample

 図1. 単一ニッケル合金粉末の粒子径分布

 

Particle size analysis of nickel alloy sample in Bettersizer 2600 measurement

図2. Bettersizer 2600による粒子径解析結果

 

Image of nickel alloy sample in BeVision S1 measurement

 図3. BeVision S1によるニッケル合金粉末の粒子画像

 

Roundness analysis of nickel alloy sample in BeVision S1 measurement

図4. BeVision S1による円形度解析結果

 

■ まとめ

 

3Dプリンティングの品質管理において、粒子径分布と円形度は不可欠な評価指標です。これらのパラメータの厳密な制御により、粉末の流動性や積層密度が最適化され、成形品の高品質化と製造工程の安定化が実現します。

 

Bettersizeのレーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置および画像解析システムは、これらのパラメータを高精度かつ迅速に測定可能です。粉末材料の適正評価を通じて、3Dプリンティングのプロセス開発・品質保証を強力に支援します。

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