繰り返し精度の重要性

複数回の測定における繰り返し精度（repeatability）は、粒子径測定装置の動作状態や測定手法の妥当性を評価する上で極めて重要な指標です。繰り返し精度が良好である場合、レーザー光源、検出器、信号処理系、制御システム、サンプル循環および分散系、ならびにソフトウェアなど、測定システム全体が安定した動作状態にあることを示唆します。また、試料の測定において最適化された測定プロセスが適用されていることも確認でき、信頼性の高いデータ取得が可能となります。

すなわち、装置が安定的に稼働しており、作業環境が装置の最適な動作条件を満たしていることが必要です。もし繰り返し精度が不十分であれば、システム全体の包括的な点検が不可欠です。点検すべき項目としては、レーザー光源の安定性、検出器の精度、信号伝送の正確性、制御系の応答性、分散系の効率性、ソフトウェアのアルゴリズムの健全性などが挙げられます。加えて、装置の設置環境も重要な要素です。例えば、入力電圧の安定性、外光による干渉、外部振動、電磁波干渉などが測定精度に影響を与える可能性があるため、これらの要因を徹底的に管理する必要があります。

さらに、試料特性に適合した測定手法の選定が不可欠です。湿式測定では、試料に適した溶媒の選択と最適な超音波分散条件（超音波の出力強度と照射時間）が測定精度に大きく寄与します。乾式測定では、適切なエアプレッシャーの選定が重要です。試料特性に応じた分散剤や界面活性剤の選択も、分散効率および測定繰り返し精度に直接影響を与えます。特にナノ粒子の測定では、溶媒中のゼータ電位やサンプルの安定性も考慮しなければなりません。

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