粒子径分布における体積基準分布、面積基準分布と個数基準分布について

粒子径分布は、粒子の異なるサイズ範囲における割合を示す重要な特性であり、分析手法や研究の目的によってさまざまな表示方法があります。これには、体積分布、面積分布、数分布といった異なる分布タイプが含まれます。これらの分布タイプは、粒子の物理的性質や挙動を理解する上で重要です。

1. 体積分布

レーザー回折・散乱法による粒度分析で最も一般的に使用される分布タイプであり、測定は主に粒子の体積に基づいて行われます。体積分布では、各粒子の体積が全体の体積に対してどのように寄与するかを示します。例えば、直径が D1 = 1μm の粒子と D2 = 2μm の粒子が同数存在する場合、D2 の粒子の体積は D1 の粒子の体積の8倍であるため、体積分布では大きい粒子が支配的な影響を持ち、全体の体積分布における寄与が顕著になります。

2. 面積分布

面積分布は、粒子の投影面積に基づいています。D2 の粒子は D1 の粒子の面積の4倍を持つため、面積分布は粒子の直径に依存した相対的重要性を反映します。粒子の表面性質が重要な場合、面積分布は特に有用です。

3. 個数分布

個数分布は、粒子の数に基づいています。この分布タイプでは、すべての粒子が同じ重要性を持ち、粒子のサイズによる重み付けは行われません。このため、粒子のサイズによるバイアスがなく、粒子数に関する情報を明確に提供します。特に、サンプル内の粒子数を考慮する必要がある場合に有用です。

結論

以上のように、粒子径分布の表現方法には、それぞれの目的に応じた適切な分布タイプの選択が必要です。体積分布は、特に粒子の体積がその特性に影響を与える場合に重要であり、面積分布は界面性質に関連する評価に有用です。また、個数分布は粒子数の均等な比較を可能にし、全体的な粒子の数に関連する情報を提供します。これらの分布タイプの違いを理解することで、より正確な粒子径分析が可能となります。

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